WordPress Logo WordPress のテンプレートとテンプレート階層について

更新日:2023年06月09日

作成日:2019年01月18日

テンプレート

テンプレートとは雛形のことで、ウェブページとして表示する情報をデータベースから取得し、ウェブページを生成する方法を制御する(WordPress のルールに従って記述された)PHP ファイルです。WordPress では、投稿などのデータベースに格納されたデータをテンプレート(ページの雛形)を使って出力・表示します。

テンプレートファイルは HTML、PHP、テンプレートタグで構成されています。

WordPress では、アクセスされたページに合わせて、表示するテンプレートファイルが自動的に選択されるようになっています。(テンプレートからページへの変換

1つのテーマには複数のテンプレートを入れてページの種類によって使い分けることができます。テンプレートの名前(ファイル名)は WordPress が定めたルールがあり以下のようなテンプレートがあります(一部抜粋)。

テンプレートの例
ページの種類 テンプレート 概要
テーマの必須ファイル index.php 他に適切なテンプレートが存在しない場合に最終的に使用されるファイル(最も汎用的なテンプレート)
フロントページ front-page.php サイトのトップページを出力
ホーム(メイン)ページ home.php ブログのトップページを出力
固定ページ page.php 個々の固定ページを出力
投稿 single.php 個々の投稿のページを出力
カテゴリー category.php カテゴリーごとのアーカイブ(一覧)ページを出力
タグ tag.php タグごとのアーカイブ(一覧)ページを出力
作成者 author.php 作成者別のアーカイブ(一覧)ページを出力
日付 date.php 日付ごとのアーカイブ(一覧)ページを出力
アーカイブ archive.php アーカイブ(一覧)ページを出力
検索結果 search.php 検索結果のページを出力
404 (Not Found) 404.php 404エラー(Not Found)ページを出力

テンプレートには、優先順位が付いていて、WordPress はアクセスされたページによって優先順位の高いテンプレートを自動的に探します。

テンプレート階層

WordPress では、アクセスされた URL をもとに、各ページをテンプレートに基づいて出力します。その際に、複数のテンプレートの中から優先順位が高いものを選択する仕組みを「テンプレート階層(Template Hierarchy)」と呼びます。

WordPress Codex(日本語版):テンプレート階層

例えば、個々の投稿のページはテーマの中に single-post_type.php と言うテンプレートが含まれていれば、そのテンプレートを使って出力しますが、single-post_type.php がない場合は、single.php というテンプレートを使って出力します。single-post_type.php も single.php もなければ singular.php というテンプレートを使います(singular.php は Version 4.3 以降)。いずれのテンプレートもなければ、index.php を使って出力します。

以下はテンプレートファイルの優先順位を示す表です。左側ほど優先順位が高いテンプレートになります。

右側にあるほど優先順位は低くなり、逆に適用されるページの種類が多くなります。single-post_type.php は投稿専用のテンプレートですが、singular.php は投稿だけではなく、固定ページのテンプレートにも含まれます。もし、投稿と固定ページの構造がほぼ同じ場合、singular.php で投稿と固定ページの両方を出力するというようなことが可能です。

※テーマを作成する際は、テンプレート階層を理解して、作成するサイトの構造に合う適切なテンプレートを選択することがとても大切です。

テンプレートファイルの優先順位
ページの種類
条件分岐タグ
高い ← 優先度 → 低い
フロントページ
is_front_page
front-page.php トップページ参照 トップページ参照 - index.php
ホームページ
is_home
home.php - - -
カテゴリー
is_category
category-slug.php category-id.php category.php archive.php
タグ
is_tag
tag-slug.php tag-id.php tag.php
カスタム分類
is_tax
taxonomy-taxonomy-term.php taxonomy-taxonomy.php taxonomy.php
作成者
is_author
author-nicename.php author-id.php author.php
日付
is_date,is_day
is_month
is_year
date.php - -
アーカイブ
is_archive
is_post_type_archive
archive-post_type.php - -
検索結果
is_search
search.php - - -
404 (Not Found)
is_404
404.php - - -
固定ページ
is_page
is_singular
customname.php
(カスタムページテンプレート)
page-slug.php page-id.php page.php
singular.php
投稿/カスタム投稿
is_single
is_singular
single-post_type.php - - single.php
添付ファイル
is_attachment
is_singular
MIME_type.php
image.php
video.php
audio.php
application.php
attachment.php single-attachment.php
  • オレンジ色の箇所は、id 名やスラッグ名、カスタム名の値を指定
  • フロントページ:特定のページをトップページに表示するときに使用。
    「管理画面」→「設定」→「表示設定」の「ホームページの表示」で指定したページが表示される。「トップページのテンプレート」参照。
  • ホームページ:Webサイトのトップページに使用。
    「管理画面」→「設定」→「一般設定」の「サイトのアドレス(URL)」に設定されている URL にアクセスされた際に表示するページ。
  • ※:Version 4.3 から新たに singular.php というテンプレートが追加されました。singular.phpは、固定ページ・投稿のテンプレートである page.php、single.php がない時に読み込まれます。
index.php

index.php は専用のテンプレートが存在しなかった場合に、最終的に選択されてそのページを出力する汎用的なテンプレートです。※ index.php はテーマに必須のテンプレートです。

例えば、トップページの表示には front-page.php が使われますが、存在しない場合は home.php が使われ、home.php も存在しない場合には、最終的に index.php が使われます。固定ページの page.php や投稿の single.php が存在しない場合にも、最終的に index.php が使われます。

つまり、index.php はあらゆる種類のテンプレートが存在しなかった場合に「最終的に使われる」テンプレートで、そのためテーマには必須になっています。

index.php は全てのページの最後の(優先順位の最も低い)テンプレートなので、index.php のテンプレートのみを使って出力するようなテーマも作成することは可能ですが、その場合、テンプレートのコード(条件分岐等)が複雑になる可能性があります。Web サイトの構造に合わせて、適切なテンプレートの設計が必要です。

また、テーマ内の index.php は通常の Web サイトのインデックスファイル(index.html など)に該当するデフォルトドキュメント(ファイル名を省略した場合にブラウザで表示されるファイル)ではありません。WordPress の場合、インデックスファイルは WordPress のインストールディレクトリにある index.php になります。

トップページのテンプレート
  1. front-page.php
  2. home.php
  3. index.php
  • front-page.php が存在する場合は「管理画面」→「設定」→「表示設定」の「ホームページの表示」で「固定ページ」を選択している場合でも、front-page.php が優先される。(home.php、index.php に対しては固定ページが優先される)
  • front-page.php と home.php の両方がある場合は front-page.php がトップページに表示される
  • front-page.php と home.php がない場合は index.php がトップページに表示される

ホームページの表示」で「固定ページ」を選択している場合、front-page.php や固定ページのテンプレートのメインループで取得できるのはその固定ページの記事になります。

「ホームページの表示」で「固定ページ」を選択している場合、front-page.php で投稿の一覧などを取得するには サブループ を利用します(pre_get_posts では条件分岐で is_front_page() が動作しません)。

関連項目:ホームページと投稿ページ

投稿のテンプレート
  1. single-{post_type(カスタム投稿名)}.php
  2. single.php
  3. singular.php
  4. index.php
  • 通常の投稿記事の個別記事ページで使用するテンプレートは「single.php」
  • スラッグや id で振り分けることはできないので、表示をページに合わせて分ける場合は条件分岐タグによる切り替えを行う
  • (in_category などを使ってカテゴリーにより分岐し、get_template_part タグを利用してテンプレートパーツを読み込むなど)
  • カスタム投稿を利用した場合は「single-カスタム投稿名.php(single-{post_type}.php)」のテンプレートで専用のテンプレートを利用できる
固定ページのテンプレート
  1. customname.php(カスタムテンプレートページ
  2. page-slug.php
  3. page-id.php
  4. page.php(固定ページの汎用テンプレート)
  5. singular.php
  6. index.php

WordPress Codex(日本語):固定ページ

カスタムページテンプレート

カスタムページテンプレート(カスタムテンプレート)は特定の「固定ページ」の生成に利用できるテンプレートで、任意のファイル名をつけて作成します。(カスタムページテンプレート

テーマフォルダの中に、任意のファイル名のファイル(例:customname.php)を作成し、以下のようにページの先頭でコメントを使ってテンプレート名を指定します。(この名前は、管理画面「固定ページ」の編集画面のテンプレートのプルダウンに表示されます)

  • ファイル名とテンプレート名が同一である必要はありません。
  • Template Name: 「Template Name」と「:」の間にスペースを入れてはいけません。
  • カスタムページテンプレートは複数のページで使用できます
customname.php
<?php
/*
Template Name: テンプレート名(管理画面で表示されるテンプレート名:日本語可)
*/
?>
ここからは通常のテンプレートファイルと同じ

上記のコメントを追加したテンプレートファイルをテーマフォルダに保存すると、固定ページの新規追加・編集画面で「ページ属性」部分に「テンプレート」の項目が追加され、リストから識別名を選択すると、テンプレート階層より優先されるテンプレートファイルとして設定することができます。

WordPress

カテゴリーページのテンプレート
  1. category-slug.php
  2. category-id.php
  3. category.php(カテゴリーの汎用テンプレート)
  4. archive.php(汎用アーカイブテンプレート。タグ・日別・アーカイブなどと共用)
  5. index.php
  • カテゴリー記事の一覧などに使用するテンプレート
  • すべてのカテゴリーを1つのデザインで表示する場合は、「category.php」のみで問題ないが、カテゴリーによりデザインを変更する場合は、条件分岐でデザインを変更するか、カテゴリーのスラッグや id を使用してテンプレートを分けることができる

WordPress Codex(日本語):カテゴリーテンプレート

タグ表示ページのテンプレート
  1. tag-slug.php
  2. tag-id.php
  3. tag.php(タグの汎用テンプレート)
  4. archive.php(汎用アーカイブテンプレート。カテゴリー・日別・アーカイブなどと共用)
  5. index.php
  • タグとは関連記事をまとめたりする際の目印のような機能
  • タグのスラッグや id を使用してテンプレートを分けることができる
カスタム分類のテンプレート
  1. taxonomy-{taxonomy}-{term}.php
    カスタムタクソノミー名が「topicscat」、タームのスラッグが「economy」の場合:
    taxonomy-topicscat-economy.php
  2. taxonomy-{taxonomy}.php
    カスタムタクソノミー名が「topicscat」の場合:
    taxonomy-topicscat.php
  3. taxonomy.php
  4. archive.php
  5. index.php
  • ターム:カスタムタクソノミーで作成するタグ機能やカテゴリー機能を持ったもの

WordPress Codex(日本語):カスタム分類

カスタム投稿一覧表示のテンプレート
  1. archive-{post_type(カスタム投稿名)}.php
  2. archive.php(汎用アーカイブテンプレート。カテゴリー・タグ・日別・アーカイブなどと共用)
  • カスタム投稿タイプのインデックスページ(一覧ページ)は archive-投稿タイプ名.php というテンプレートで扱うことができる。(3.1以降)
  • カスタム投稿タイプのアーカイブを表示するためには、カスタム投稿タイプを登録のとき、register_post_type() の引数に、‘has_archive’ => true を指定する

カスタム投稿タイプのテンプレートは「投稿のテンプレート」を参照ください。

WordPress Codex(日本語):カスタム投稿タイプ(投稿タイプ)

関連ページ:カスタム投稿タイプの一覧を表示

作成者表示テンプレート
  1. author-{nicename}.php - 作成者の nicename が tom の場合は author-tom.php
  2. author-{id}.php - 作成者の作成者ID が 6 ならば author-6.php
  3. author.php
  4. archive.php
  5. index.php
  • 作成者別アーカイブインデックスページの表示に使用されるテンプレートファイル
日付表示テンプレート
  1. date.php
  2. archive.php
  3. index.php
  • ブログなどで日時別の一覧を表示するときに使用する。
  • 通常サイトでは更新情報の一覧を年/月ごとに表示する場合などに使用。
404 テンプレート
  1. 404.php
  2. index.php

404 エラーの際に表示するページのテンプレート。

WordPress では該当するページが見つからなかった場合(URL の解析でページ種類が決定しなかった場合)、404.php を呼び出すようになっています。

但し、404.php が存在しない場合は index.php が表示されてしまいます。

テーマには 404.php(404 ページ)を作成して適切なエラーメッセージなどを表示するようにします。

条件分岐タグ

条件分岐タグを使用するとページの種類によって表示される内容や処理を変更したりすることができます。

条件分岐タグは現在のページが条件に合致するかを判定し、合致する場合は true を、合致しない場合は false を返します。

条件分岐タグ参考ページ

例えば、以下を header.php に記述しておけばホームページまたはフロントページの1ページ目だけに「Home top page」と言う一文を表示することができます。

<?php if( ( is_home() || is_front_page() ) && !is_paged() ) : ?>
<p>Home top page</p>
<?php endif; ?>

条件分岐タグのソースを見ると、WP_Query の同名のメソッド WP_Query::is_front_page() の実行結果を返しているタグが多くあります。

以下は is_front_page() のソースです。

function is_front_page() {
  global $wp_query;

  if ( ! isset( $wp_query ) ) {
    _doing_it_wrong( __FUNCTION__, __( 'Conditional query tags do not work before the query is run. Before then, they always return false.' ), '3.1.0' );
    return false;
  }

  //WP_Query の同名のメソッドの実行結果を返している
  return $wp_query->is_front_page();
}

以下は WP_Query::is_front_page() のソースです。

public function is_front_page() {
  // most likely case
  if ( 'posts' == get_option( 'show_on_front' ) && $this->is_home() ) {
    return true;
  } elseif ( 'page' == get_option( 'show_on_front' ) && get_option( 'page_on_front' ) && $this->is_page( get_option( 'page_on_front' ) ) ) {
    return true;
  } else {
  return false;
  }
}

上記の定義では get_option() などを使って以下のようなことを判定しているようです。

管理画面「表示設定」の「ホームページの表示」が「最新の投稿」で且つ現在のページが WP_Query::is_home() で true の場合は true

管理画面「表示設定」の「ホームページの表示」が「固定ページ」で且つ「ホームページの表示:ホームページ」が true で且つ指定されているページが固定ページの場合は true

get_option( 'page_on_front' ) は「ホームページの表示」が「固定ページ」の場合、ホームページに設定された固定ページの ID を返すようです。

条件分岐タグは多数ありますが、以下はその一部抜粋です。

条件分岐タグにはオプションで引数(パラメータ)を取るものがあります。* が付いている引数は必須です。

条件分岐タグ true になる場合 引数
is_home() メインブログページが表示されている場合 Codex なし
is_front_page() サイトのフロントページが表示されている場合 Codex なし
is_admin() ダッシュボードまたは管理画面が表示されている場合 Codex なし
is_single() 投稿の個別ページ(またはカスタム投稿タイプの個別ページ)が表示されている場合 Codex。引数には投稿の ID やスラッグなどを指定可能。但し、カスタム投稿タイプは判定できないので、is_singular() を使用 $post
is_page() 固定ページが表示されている場合 Codex $page
is_singular() is_single()、is_page() 、is_attachment() のいずれかが真である場合。パラメータにカスタム投稿タイプ名を指定して判定可能。 Codex $post_types
is_post_type_archive() 現在のクエリが、引数に与えられた投稿タイプのアーカイブページの場合 Codex $post_types
is_category() カテゴリーアーカイブが表示されている場合 Codex $category
in_category() 現在の投稿が指定されたカテゴリーに属する場合 Codex $category*, $post
is_tag() タグのアーカイブページが表示されている場合 Codex $tag
has_tag() 現在の投稿が(指定された)タグを持っている場合 Codex $tag, $post
is_tax() タクソノミーのアーカイブページが表示されている場合 Codex $taxonomy, $term
has_term() 現在のポストが指定の項目(term)を持つ場合 Codex $term, $taxonomy, $post
is_object_in_term() 指定された投稿などのオブジェクトが指定されたタームの何れかに関連付けられている場合 Codex $object_id*, $taxonomy*, $terms
is_author() 投稿者アーカイブページが表示されている場合 Codex $author
is_date() 日付別のアーカイブページのいずれか(月別、年別、日別、時間別)が表示されている場合 Codex なし
is_month() 月別のアーカイブページが表示されている場合 Codex なし
is_archive() 各アーカイブページが表示されている場合 Codex なし
is_search() 検索結果のページが表示されている場合 Codex なし
is_404() 404 エラーページが表示されている場合 Codex なし
is_paged() ページが分割されていてページ番号が 1 より大きい場合 Codex なし
is_attachment() 投稿または固定ページの添付ファイルが表示されている場合 Codex $attachment
is_main_query() 現在のクエリが「メイン」クエリの場合。関連ページ:pre_get_postsCodex なし
is_user_logged_in() ユーザーの誰かがログイン中の場合 Codex なし
has_excerpt() 投稿に (手動で入力された) 抜粋がある場合。関連ページ:has_excerptCodex $post
has_post_thumbnail() 投稿がアイキャッチ画像を含む場合。関連ページ:has_post_thumbnail Codex $post
post_password_required() 投稿がパスワードを必要とする(正しいパスワードクッキーが存在しない)場合。Codex $post
wp_is_mobile() ユーザーがモバイルデバイスで閲覧している場合。Codex なし
ホームページと投稿ページ

is_front_page() はサイトのフロントページが表示されている場合に true になり、is_home() は投稿ページ(メインブログページ)が表示されている場合に true になります。

この動作は「管理画面」→「設定」→「表示設定」の「ホームページの表示」に関係しています。

例えば以下のように「ホームページの表示」を「最新の投稿」にしている場合、is_front_page() と is_home() は true になるので、is_front_page() && is_home() も true になります。

「ホームページの表示」を「最新の投稿」に設定したスクリーンショット

<?php
  if ( is_front_page() && is_home() ) {
    // フロントページの場合の処理
  }

  //以下も true になる
  if ( is_front_page() ) { ... }
  if ( is_home() ) { ... }

?>

以下のように「ホームページの表示」を「固定ページ (以下を選択)」にして、ホームページに「Top」、投稿ページ(メインブログページ)に「Blog Top」と言う固定ページを指定した場合、

「ホームページの表示」を「固定ページ (以下を選択)」 に設定したスクリーンショット

ホームページに指定した「Top」がフロントページとして表示され、is_front_page() が true になり、is_home() は true になりません。

投稿ページ(メインブログページ)に指定した「Blog Top」では、is_home() が true になります。is_front_page() は true になりません。

以下は、それぞれの場合を判定して処理を行う場合の例です。

<?php
if ( is_front_page() && is_home() ) {
  // フロントページでの処理
} elseif ( is_front_page() ) {
  // 固定ペーシを使ったフロントページでの処理
} elseif ( is_home() ) {
  // 固定ペーシを使ったメインブログページでの処理
} else {
  // それ以外のページでの処理
}
?>
親子の判定

子ページであるかどうかを判定する条件分岐タグがないため、グローバル変数 $post から親ページ ID を取得して親ページが存在すれば子ページであるという判定をすることができます。

最上位の親ページの場合、$post->post_parent (親ページID)の値は 0。

<?php while(have_posts()): the_post(); ?>
<?php if($post->post_parent): ?>
<?php 子ページの(親ページを持つ)場合の処理 ?>
<?php else: ?>
<?php 親ページの場合の処理 ?>
<?php endif; ?>
<?php endwhile; ?>
ブラウザ検出

WordPress には下記のようなユーザーが使っているブラウザーを表すグローバル変数があります。

グローバル変数 ブラウザ データ型
$is_iphone iPhone Safari bool
$is_chrome Google Chrome bool
$is_safari Safari bool
$is_NS4 Netscape 4 bool
$is_opera Opera bool
$is_macIE Mac Internet Explorer bool
$is_winIE Windows Internet Explorer bool
$is_gecko FireFox bool
$is_lynx lynx bool
$is_IE Internet Explorer bool

以下はブラウザを検出してブラウザ名を出力する例です。(Opera は Chrome として検出されました)

<?php
global $is_iphone, $is_chrome, $is_safari, $is_gecko, $is_IE;

if($is_iphone){
  echo 'iPhone';
}else if($is_chrome) {
  echo 'Chrome';
}else if($is_safari) {
  echo 'Safari';
}else if($is_gecko) {
  echo 'Firefox';
}else if( $is_IE) {
  echo 'IE';
}else {
  echo 'Something Else';
}
?>

日本語版 Codex:検出したブラウザーを表す真偽値

Codex: Global Variables/Browser Detection Booleans

テンプレートからページへの変換

HTML で作成した静的な Web サイトの場合、ファイルの物理的な位置が URL と関連しますが、WordPress の場合は異なります。

WordPress の場合、テーマに必須の index.php さえあれば、どのような URL でも(トップページや投稿、固定ページ、カテゴリーページなど)表示させることができ、各ページをそれぞれのファイルで表示する静的なサイトとは構造が違っています。

アクセスされたページ(リクエストされた URL)をどのテンプレートで表示するかは以下のような仕組みになっています。

WordPress をインストールしたディレクトリを見ると、以下のように .htaccess 及び index.php と言うファイルがあります。

WordPress インストールディレクトリの中身

以下は WordPress を wp と言うディレクトリにインストールした場合に生成される、.htaccess の例です。

# BEGIN WordPress
<IfModule mod_rewrite.c>  #mod_rewrite が使用できる場合
RewriteEngine On  #mod_rewrite の機能を有効に
RewriteBase /wp/  #Rewrite 処理のベースとなる URL の指定
RewriteRule ^index\.php$ - [L]  #ファイル名が index.php なら処理を終了
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f  #指定したファイルが存在しなければ
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d  #且つ指定したディレクトリが存在しなければ
RewriteRule . /wp/index.php [L]  #すべてのリクエスト(.)は /wp/index.php に書き換え
</IfModule>

# END WordPress   

内容は「リクエストされたファイルが存在せず(6行目)」かつ「リクエストされたディレクトリが存在しない(7行目)」場合はどんなファイル(.)でも /wp/index.php へ書き換える(8行目)と言うような指示が記述されています( .htaccess )。

つまり、指定されたファイルやディレクトリがない場合は、インストールディレクトリの index.php を参照するようにとなっています。

インストールディレクトリの index.php

以下がインストールディレクトリにある index.php に記述されている内容です。冒頭のコメントには「WordPress アプリケーションへの入り口です。このファイルはテーマをロードするために wp-blog-header.php を読み込む(load)以外は何もしません。」というようなことが記述されています。

define('WP_USE_THEMES', true) は、define() 関数でテーマファイルを読み込むかどうかの定数「WP_USE_THEMES」を「true」に定義しています。後述する「③ テーマのテンプレートのロード(wp-include/template-loader.php)」でこの定数を使ってテーマのテンプレートを読み込むかどうか条件分岐しています。

require() は外部ファイルを読み込む指示で、dirname() はディレクトリのパスを返してくれる関数です。

dirname( __FILE__ ) は、そのファイルのあるディレクトリのパスを返してくれるので、同じディレクトリ(インストールディレクトリ)にある wp-blog-header.php を読み込む指示になります。

<?php  /* index.php */
/**
 * Front to the WordPress application. This file doesn't do anything, but loads
 * wp-blog-header.php which does and tells WordPress to load the theme.
 */

/**
 * Tells WordPress to load the WordPress theme and output it.
 * @var bool
 */
define('WP_USE_THEMES', true);

/** Loads the WordPress Environment and Template */
require( dirname( __FILE__ ) . '/wp-blog-header.php' );

wp-blog-header.php

Codex 日本語版の WP_Query クラスの説明には「wp-blog-header.php が $wp_query オブジェクトに現在のリクエストを定義する情報を与えることで、$wp_query はどのタイプのクエリを扱っているのかを確定し、要求された投稿を取り出します。」とあります。

この辺の部分に「WordPress がリクエストされた URL を元にそのページに必要なデータを自動的に用意する」仕組みが記述されています。

同じディレクトリ(インストールディレクトリ)にある wp-blog-header.php を見ると以下のようになっています。

コメントには「WordPress の環境設定とテンプレートを読み込む」とあります。

<?php  /* wp-blog-header.php */
/**
 * Loads the WordPress environment and template.
 * @package WordPress
 */
if ( !isset($wp_did_header) ) {
  $wp_did_header = true;
  //  Load the WordPress library.
  require_once( dirname(__FILE__) . '/wp-load.php' );
  //  Set up the WordPress query.
  wp();
  //  Load the theme template.
  require_once( ABSPATH . WPINC . '/template-loader.php' );
}

① WordPress のライブラリの読み込み
require_once( dirname(__FILE__) . '/wp-load.php' );

wp-load.php では、定数(ABSPATH)の定義や設定ファイル(wp-config.php)の読み込みなどが行われます。

 /* wp-load.php 抜粋*/
define( 'ABSPATH', dirname( __FILE__ ) . '/' );

require_once( ABSPATH . 'wp-config.php' );

wp-config.php には、WordPress をインストールした際に入力したデータベースへの接続情報などの設定情報が保存されています。また、wp-settings.php の読み込みも記述されています。

/* wp-config.php 一部抜粋 */
/** WordPress のためのデータベース名 */
define('DB_NAME', 'database_name_here');

/** MySQL データベースのユーザー名 */
define('DB_USER', 'username_here');

/** MySQL データベースのパスワード */
define('DB_PASSWORD', 'password_here');

/** MySQL のホスト名 */
define('DB_HOST', 'localhost');

/** データベースのテーブルを作成する際のデータベースの文字セット */
define('DB_CHARSET', 'utf8');

/** データベースの照合順序 (ほとんどの場合変更する必要はありません) */
define('DB_COLLATE', '');

/** Sets up WordPress vars and included files. */
require_once(ABSPATH . 'wp-settings.php');

wp-settings.php には、必要なファイルの読み込みやデフォルトのフィルター、テーマの functions.php の読み込み、$wp_query の生成、init、wp_loaded、setup_theme、after_setup_theme などのアクションフックの実行なども記述されています。

//wp-settings.php(抜粋)
/**
 * Used to set up and fix common variables and include
 * the WordPress procedural and class library.
 * Allows for some configuration in wp-config.php (see default-constants.php)
 * @package WordPress
 * Stores the location of the WordPress directory of functions,classes,and core content.
 * @since 1.0.0
 */
define( 'WPINC', 'wp-includes' );

// Include files required for initialization.
require( ABSPATH . WPINC . '/load.php' );
require( ABSPATH . WPINC . '/default-constants.php' );
require_once( ABSPATH . WPINC . '/plugin.php' );

・・・中略・・・

// Load early WordPress files.
require( ABSPATH . WPINC . '/compat.php' );
require( ABSPATH . WPINC . '/class-wp-list-util.php' );
require( ABSPATH . WPINC . '/functions.php' );
require( ABSPATH . WPINC . '/class-wp-matchesmapregex.php' );
require( ABSPATH . WPINC . '/class-wp.php' );
require( ABSPATH . WPINC . '/class-wp-error.php' );
require( ABSPATH . WPINC . '/pomo/mo.php' );

// Include the wpdb class and, if present, a db.php database drop-in.
global $wpdb;
require_wp_db();

// Set the database table prefix and the format specifiers for database table columns.
$GLOBALS['table_prefix'] = $table_prefix;
wp_set_wpdb_vars();

// Start the WordPress object cache, or an external object cache if the drop-in is present.
wp_start_object_cache();

// Attach the default filters.(デフォルトフィルタの読み込み)
require( ABSPATH . WPINC . '/default-filters.php' );

・・・中略・・・

// Load most of WordPress.(wp-includes にあるほとんどのファイルの読み込み)
require( ABSPATH . WPINC . '/class-wp-walker.php' );
require( ABSPATH . WPINC . '/class-wp-ajax-response.php' );
require( ABSPATH . WPINC . '/formatting.php' );
require( ABSPATH . WPINC . '/capabilities.php' );
・・・
・・・中略・・・

/* Fires once all must-use and network-activated plugins have loaded. */
do_action( 'muplugins_loaded' );
・・・
/* Fires once activated plugins have loaded. */
do_action( 'plugins_loaded' );
・・・
/**
 * WordPress Query object
 *
 * @global WP_Query $wp_the_query
 * @since 2.0.0
 */
$GLOBALS['wp_the_query'] = new WP_Query();
//$wp_the_query オブジェクト(WP_Queryクラスのインスタンス)の生成
//スーパーグローバル変数 $GROBALS に格納

/**
 * Holds the reference to @see $wp_the_query
 * Use this global for WordPress queries
 *
 * @global WP_Query $wp_query
 * @since 1.5.0
 */
$GLOBALS['wp_query'] = $GLOBALS['wp_the_query'];
//$wp_query オブジェクトに $wp_the_query オブジェクトをコピー
//$GLOBALS['wp_the_query'] は $GLOBALS['wp_query']のバックアップ

/**
 * Holds the WordPress Rewrite object for creating pretty URLs
 *
 * @global WP_Rewrite $wp_rewrite
 * @since 1.5.0
 */
$GLOBALS['wp_rewrite'] = new WP_Rewrite();

/**
 * WordPress Object
 *
 * @global WP $wp
 * @since 2.0.0
 */
$GLOBALS['wp'] = new WP();

・・・
/* Fires before the theme is loaded. */
do_action( 'setup_theme' );

・・・
//Load the functions for the active theme,for both parent and child theme if applicable.(テーマの functions.php の読み込み)
if ( ! wp_installing() || 'wp-activate.php' === $pagenow ) {
  if ( TEMPLATEPATH !== STYLESHEETPATH && file_exists( STYLESHEETPATH . '/functions.php' ) )
    include( STYLESHEETPATH . '/functions.php' );
  if ( file_exists( TEMPLATEPATH . '/functions.php' ) )
    include( TEMPLATEPATH . '/functions.php' );
}

/* Fires after the theme is loaded */
do_action( 'after_setup_theme' );

・・・
/*
Fires after WordPress has finished loading but before any headers are sent.
Most of WP is loaded at this stage, and the user is authenticated.
WP continues to load on the {@see 'init'} hook that follows (e.g. widgets), and many plugins instantiate themselves on it for all sorts of reasons (e.g. they need a user, a taxonomy, etc.).
If you wish to plug an action once WP is loaded, use the {@see 'wp_loaded'} hook below.
 */
do_action( 'init' );

・・・
/*  This hook is fired once WP, all plugins, and the theme are fully loaded and instantiated. */
do_action( 'wp_loaded' );

② WordPress クエリのセットアップ
wp();

wp() 関数の実行。アクセスされた URL を元にクエリー条件の設定や、アクセスされた URL に該当するページのデータをデータベースからの読み込みを実行(グローバル変数 $posts にデータベースの情報が設定される)。

以下は wp() の定義で、$wp->main() が呼び出されています(wp-include/functions.php)。

function wp( $query_vars = '' ) {
  global $wp, $wp_query, $wp_the_query;  //$wp、$wp_query、$wp_the_query を関数内で使用するためのグローバル宣言
  $wp->main( $query_vars );

  if ( !isset($wp_the_query) )
    $wp_the_query = $wp_query;
  //$wp_the_query がまだ設定されていなければ $wp_query を代入(コピー作成=バックアップ)
}

main() は wp-include/class-wp.php に以下のように定義されていて、「リクエストに基づくクエリ変数のセットアップ」「クエリ変数に基づくループをセットアップ」「リクエストされた URL が見つからない場合 404ヘッダをセット」「グローバル変数のセットアップ」「wp アクションフックの実行」などが行われています。

//class WP
public function main($query_args = '') {
  $this->init(); //現在のユーザーをセットアップ(Set up the current user)
  $this->parse_request($query_args); //リクエストに基づくクエリ変数のセットアップ(Sets up the query variables based on the request)
  $this->send_headers(); //追加の HTTP ヘッダを送信(Sends additional HTTP headers for caching, content type, etc)
  $this->query_posts(); //クエリ変数に基づくループをセットアップ(Set up the Loop based on the query variables)
  $this->handle_404(); //リクエストされた URL が見つからない場合 404ヘッダをセット
  $this->register_globals(); //グローバル変数のセットアップ

  /**
  * Fires once the WordPress environment has been set up.
  *
  * @since 2.1.0
  *
  * @param WP $this Current WordPress environment instance (passed by reference).
  */
  do_action_ref_array( 'wp', array( &$this ) ); //wp アクションフックの実行
}

「リクエストに基づくクエリ変数のセットアップ」

上記の main() の定義の4行目の parse_request() でリクエストに基づいてクエリ変数をセットアップしています。言い換えると、正しいクエリを取得すためにリクエストを解析しています。このメソッドには結果のクエリ変数を変更するためのたくさんのフィルターやアクションが含まれています。

「クエリ変数に基づくループをセットアップ」

上記の main() の定義の6行目 $this->query_posts() の query_posts() は wp-includes/class-wp.php で以下のように定義されています。

//class WP
/**
* Set up the Loop based on the query variables.
* クエリ変数に基づくループをセットアップ
* @since 2.0.0
*
* @global WP_Query $wp_the_query
*/
public function query_posts() {
  global $wp_the_query; //$wp_the_query を関数内で使用するためのグローバル宣言
  $this->build_query_string();
  $wp_the_query->query( $this->query_vars );
}

build_query_string() は wp-include/class-wp.php に以下のように定義されていて、query_vars から query_string(クエリ文字列)を生成して、parse_str() で query_vars に格納しているようです。

//class WP
/**
* Sets the query string property based off of the query variable property.
*
* The {@see 'query_string'} filter is deprecated, but still works. Plugins should
* use the {@see 'request'} filter instead.
*
* @since 2.0.0
*/
public function build_query_string() {
  $this->query_string = '';
  foreach ( (array) array_keys( $this->query_vars ) as $wpvar ) {
    if ( '' != $this->query_vars[ $wpvar ] ) {
      $this->query_string .= ( strlen( $this->query_string ) < 1 ) ? '' : '&';
      if ( ! is_scalar( $this->query_vars[ $wpvar ] ) ) { // Discard non-scalars.
        continue;
      }
      $this->query_string .= $wpvar . '=' . rawurlencode( $this->query_vars[ $wpvar ] );
    }
  }

  if ( has_filter( 'query_string' ) ) {  // Don't bother filtering and parsing if no plugins are hooked in.
    /**
     * Filters the query string before parsing.
     *
     * @since 1.5.0
     * @deprecated 2.1.0 Use 'query_vars' or 'request' filters instead.
     *
     * @param string $query_string The query string to modify.
     */
    $this->query_string = apply_filters( 'query_string', $this->query_string );
    parse_str( $this->query_string, $this->query_vars );
  }
}

query_posts() 定義での $wp_the_query は $wp_query の元になる WP_Query クラスのインスタンスです。そのメソッド query() は wp-includes/class-wp-query.php で以下のように定義されています。

//class WP_Query
/**
* Sets up the WordPress query by parsing query string.
* クエリ文字列を解析して WordPress のクエリをセットアップ
* @since 1.5.0
*
* @param string|array $query URL query string or array of query arguments.
* @return WP_Post[]|int[] Array of post objects or post IDs.
*/
public function query( $query ) {
  $this->init();
  $this->query = $this->query_vars = wp_parse_args( $query );
  return $this->get_posts();
}

init() は、以下のように定義されていてオブジェクトのプロパティ($posts, $queried_object, $post など)を初期化したりデフォルト値を設定しています。(wp-includes/class-wp-query.php

//class WP_Query
/**
* Initiates object properties and sets default values.
*
* @since 1.5.0
*/
public function init() {
  unset( $this->posts );
  unset( $this->query );
  $this->query_vars = array();
  unset( $this->queried_object );
  unset( $this->queried_object_id );
  $this->post_count   = 0;
  $this->current_post = -1;
  $this->in_the_loop  = false;
  unset( $this->request );
  unset( $this->post );
  unset( $this->comments );
  unset( $this->comment );
  $this->comment_count         = 0;
  $this->current_comment       = -1;
  $this->found_posts           = 0;
  $this->max_num_pages         = 0;
  $this->max_num_comment_pages = 0;

  $this->init_query_flags();
}

$this->query = $this->query_vars = wp_parse_args( $query ); の wp_parse_args() は引数($query: URL のクエリ文字列またはクエリ引数)の連想配列を返します。

$this->get_posts() は1400行以上のとても長いメソッドで、クエリ変数に基づいて取得した投稿のオブジェクトの配列(an array of posts)を返しています。このメソッドの実行でグローバル変数 $posts にデータベースからの情報がセットアップされているようです。

以下は wp-includes/class-wp-query.php に定義されているメソッド get_posts() の最初と最後の部分の抜粋です。先頭の方で pre_get_posts のアクションフックの実行の記述があります。

//class WP_Query
/**
* Retrieves an array of posts based on query variables.
* クエリ変数に基づいた投稿のオブジェクトの配列を取得
*
* There are a few filters and actions that can be used to modify the post database query.
*
* @since 1.5.0
*
* @return WP_Post[]|int[] Array of post objects or post IDs.
*/
public function get_posts() {
  global $wpdb;

  $this->parse_query();

  /**
   * Fires after the query variable object is created, but before the actual query is run.
   *
   * Note: If using conditional tags, use the method versions within the passed instance
   * (e.g. $this->is_main_query() instead of is_main_query()). This is because the functions
   * like is_main_query() test against the global $wp_query instance, not the passed one.
   *
   * @since 2.0.0
   *
   * @param WP_Query $this The WP_Query instance (passed by reference).
   */
  do_action_ref_array( 'pre_get_posts', array( &$this ) );

  // Shorthand.
  $q = &$this->query_vars;

  // Fill again in case pre_get_posts unset some vars.
  $q = $this->fill_query_vars( $q );

  // Parse meta query
  $this->meta_query = new WP_Meta_Query();
  $this->meta_query->parse_query_vars( $q );

  ・・・中略・・・
  ・・・中略・・・
  ・・・中略・・・

  // Ensure that any posts added/modified via one of the filters above are
  // of the type WP_Post and are filtered.
  if ( $this->posts ) {
    $this->post_count = count( $this->posts );

    $this->posts = array_map( 'get_post', $this->posts );

    if ( $q['cache_results'] ) {
      update_post_caches( $this->posts, $post_type, $q['update_post_term_cache'], $q['update_post_meta_cache'] );
    }

    $this->post = reset( $this->posts );
  } else {
    $this->post_count = 0;
    $this->posts      = array();
  }

  if ( $q['lazy_load_term_meta'] ) {
    wp_queue_posts_for_term_meta_lazyload( $this->posts );
  }

  return $this->posts;
}

「グローバル変数のセットアップ」

以下は wp-includes/class-wp.phpp に定義されているメソッド register_globals() です。$wp_query の query_vars を使ってグローバル変数をセットアップしています。

//class WP
/**
* Set up the WordPress Globals.
*
* The query_vars property will be extracted to the GLOBALS. So care should
* be taken when naming global variables that might interfere with the
* WordPress environment.
*
* @since 2.0.0
*
* @global WP_Query     $wp_query
* @global string       $query_string Query string for the loop.
* @global array        $posts The found posts.
* @global WP_Post|null $post The current post, if available.
* @global string       $request The SQL statement for the request.
* @global int          $more Only set, if single page or post.
* @global int          $single If single page or post. Only set, if single page or post.
* @global WP_User      $authordata Only set, if author archive.
*/
public function register_globals() {
  global $wp_query;

  // Extract updated query vars back into global namespace.
  foreach ( (array) $wp_query->query_vars as $key => $value ) {
    $GLOBALS[ $key ] = $value;
  }

  $GLOBALS['query_string'] = $this->query_string;
  $GLOBALS['posts']        = & $wp_query->posts;
  $GLOBALS['post']         = isset( $wp_query->post ) ? $wp_query->post : null;
  $GLOBALS['request']      = $wp_query->request;

  if ( $wp_query->is_single() || $wp_query->is_page() ) {
    $GLOBALS['more']   = 1;
    $GLOBALS['single'] = 1;
  }

  if ( $wp_query->is_author() && isset( $wp_query->post ) ) {
    $GLOBALS['authordata'] = get_userdata( $wp_query->post->post_author );
  }
}

③ テーマのテンプレートの読み込み
require_once( ABSPATH . WPINC . '/template-loader.php' );

ABSPATH は絶対パスを表す定数で、WPINC は wp-include フォルダを意味します。

wp-include フォルダにある template-loader.php(テンプレートの読み込み)は以下のようになっています。

どのテンプレートを読み込むかを決定する前に、template_redirect アクションが実行され、その後読み込むテンプレートを決定しています。

 /* template-loader.php 一部抜粋 */

  /**
  * Loads the correct template based on the visitor's url
  * リクエストされた URL を基に適切なテンプレートを読み込む
  */

  if ( wp_using_themes() ) {
    /**
    * Fires before determining which template to load.
    * どのテンプレートを使うかを振り分ける前に template_redirect アクションを実行
    */
    do_action( 'template_redirect' );
  }

  ・・・中略・・・

if ( wp_using_themes() ) :
  $template = false;
  if ( is_embed() && $template = get_embed_template() ) :
  elseif ( is_404() && $template = get_404_template() ) :
  elseif ( is_search() && $template = get_search_template() ) :
  elseif ( is_front_page() && $template = get_front_page_template() ) :
  elseif ( is_home() && $template = get_home_template() ) :
  elseif ( is_privacy_policy() && $template = get_privacy_policy_template() ) :
  elseif ( is_post_type_archive() && $template = get_post_type_archive_template() ) :
  elseif ( is_tax() && $template = get_taxonomy_template() ) :
  elseif ( is_attachment() && $template = get_attachment_template() ) :
    remove_filter( 'the_content', 'prepend_attachment' );
  elseif ( is_single() && $template = get_single_template() ) :
  elseif ( is_page() && $template = get_page_template() ) :
  elseif ( is_singular() && $template = get_singular_template() ) :
  elseif ( is_category() && $template = get_category_template() ) :
  elseif ( is_tag() && $template = get_tag_template() ) :
  elseif ( is_author() && $template = get_author_template() ) :
  elseif ( is_date() && $template = get_date_template() ) :
  elseif ( is_archive() && $template = get_archive_template() ) :
  else :
    $template = get_index_template();
  endif;

・・・以下省略・・・

template-loader.php は、is_single() や is_page() などの条件分岐タグと get_single_template() などのテンプレートのパスを取得する関数を使って、HTML を生成するためのテンプレートを決定しています。

言い換えると、アクセスされたページ(リクエストされた URL)をどのテンプレートで表示するかと言うテンプレート階層の仕組みが記述されています。

WordPress は上記のような手順でアクセスされたページに該当するテンプレートを探します。もし、どのテンプレートにも該当しない場合は、最後の get_index_template() が実行され、index.php が読み込まれます。

ファイルの読み込み順序

以下がファイルの読み込みの概要です。

  1. インストールディレクトリの index.php(wp-blog-header.php の読み込み)
  2. wp-blog-header.php(wp-load.php の読み込み)
  3. wp-load.php(wp-config.php の読み込み)
  4. wp-config.php(データベースへの接続情報などの読み込みや wp-settings.php の読み込み)
  5. wp-settings.php($wp_query の生成、functions.php や各種設定ファイルの読み込み、init、wp_loaded、setup_theme、after_setup_theme アクションフックの実行 などを含む設定情報の読み込み)
    wp() 関数の実行。アクセスされた URL を元にクエリー条件の設定(query_var や query_string)、該当するページのデータのデータベースからの読み込み(グローバル変数 $posts にデータベースの情報を設定)、404の設定。
  6. template-loader.php テーマのテンプレートの読み込み(アクセスされたページ、つまりリクエストされた URL をどのテンプレートで表示するかを決定)

※テーマのテンプレートが読み込まれる時点では、すでにそのページのデータはリクエストされた URL を元に WordPress がデータベースから自動的に取得(1~5)されています。

関連情報参考ページ

テンプレートパーツ

一般的な Web サイトの構造は、ヘッダー、コンテンツ部分、サイドバー、フッターなどから構成されています。ページごとにテンプレートを作成していくと、ヘッダーやフッターなどの共通部分を繰り返し記述することになるので、共通のパーツは「テンプレートパーツ」と言うテンプレートファイルに記述して、各テンプレートでインクルードタグを使って読み込みます。

テンプレートパーツは「パーツテンプレート」や「モジュールテンプレート」、または単にテンプレートと呼ばれることもあり、テンプレートを構成するファイルのことです。

テンプレートパーツによる分割の概念図

テンプレートパーツの読み込みの概念図

テンプレートパーツの一覧
パーツ テンプレートファイル名 読み込むためのインクルードタグ
ヘッダー header.php <?php get_header(); ?>
header-{name}.php <?php get_header($name); ?>
フッター footer.php <?php get_footer(); ?>
footer-{name}.php <?php get_footer($name); ?>
サイドバー sidebar.php <?php get_sidebar(); ?>
sidebar-{name}.php <?php get_sidebar($name); ?>
検索フォーム searchform.php <?php get_search_form(); ?>
コメント comments.php <?php comments_template(); ?>
カスタム aaa.php <?php get_template_part('aaa'); ?>
aaa-bbb.php <?php get_template_part('aaa', 'bbb'); ?>

それぞれのインクルードタグについては「テンプレートの読み込みを行う関数」を参照ください。

404 ページ

WordPress ではパーマリンクの設定を元に URL が解析されてページ種類が決定されます。

もし、URL の解析でページ種類が決定しなかった場合は 404.php と言うテンプレートファイルが呼び出されるようになっています。

但し、WordPress では該当するページがない場合、優先的に index.php が表示されるようになっているため、404.php が存在しない場合は index.php が表示されます。

このため、テーマには 404.php を作成して適切なエラーメッセージを表示します。

※静的な HTML を使ったサイトで「ファイルが存在しない」時に 404 エラーになるのとは仕組みが異なります。

また、404 ページが表示されているかどうかは is_404() 条件分岐タグで判定することができます。

404エラーページの作成

WordPress の場合、404エラーページは 404.php と言うテンプレートファイルを作成してテーマディレクトリに配置します。

404 ページを作成する場合には以下のようなことを考慮します(Search Console ヘルプ:404 ページのカスタマイズ から引用)。

  • ユーザーに対して、探しているページが見つからないことを明確に伝える。
  • 404 ページを、サイトのその他の部分と同じデザイン(ナビゲーションを含む)にする。
  • 最も人気のある記事や投稿へのリンクの他、ホームページへのリンクなどを追加する。
  • 404 ページが検索エンジンのインデックスに登録されないようにするため、存在しないページがリクエストされたときにウェブサーバーが実際の 404 HTTP ステータス コードを返すことを確認する。

以下は 404.php の例です。

<!-- 404.php -->
<?php get_header(); ?>
<div id="main">
  <h2>404 Not Found(ページが見つかりませんでした)</h2>
  <p><img src="<?php echo get_theme_file_uri('/images/error_message.png'); ?>" alt="エラーメッセージの画像"></p>
  <p>指定された以下のページは存在しないか、または移動した可能性があります。</p>
  <p class="error_url">URL :<span><?php echo get_pagenum_link(); ?></span></p>
  <p>現在表示する記事がありません。よろしければ、検索ボックスにお探しのコンテンツに該当するキーワードを入力して下さい。</p>
  <?php get_search_form(); ?><!-- 検索フォームを表示 -->
  <p><a href="<?php echo home_url(); ?>">トップページへ</a></p>
</div>
<?php
get_sidebar();
get_footer();

リクエストされたページの URL は get_pagenum_link() で取得しています。get_pagenum_link() は指定されたページ番号のリンクを取得しますが、ページ番号を指定しなければ現在のページの URL が取得できます。また取得する値はデフォルトで esc_url() によりエスケープ処理されています。

以下のように $_SERVER 変数を使って記述しても表示できます。

<?php
$protocol = empty($_SERVER["HTTPS"]) ? "http://" : "https://";
echo esc_url($protocol. $_SERVER["HTTP_HOST"].$_SERVER["REQUEST_URI"]);
?>

または1行にまとめると以下のようになります。

<?php
  echo esc_url((empty($_SERVER['HTTPS']) ? "http://" : "https://") . $_SERVER["HTTP_HOST"] . $_SERVER["REQUEST_URI"]);
?>

検索フォームの表示は get_search_form() を使ってデフォルトの検索フォームを表示しています。

以下は公式テーマ twentynineteen の 404.php です。ページが見つからなかったと言う内容のメッセージを表示して、検索フォームを表示しています。

<!-- twentynineteen 404.php -->
<?php get_header(); ?>
  <section id="primary" class="content-area">
    <main id="main" class="site-main">

      <div class="error-404 not-found">
        <header class="page-header">
          <h1 class="page-title"><?php _e( 'Oops! That page can&rsquo;t be found.', 'twentynineteen' ); ?></h1>
        </header><!-- .page-header -->

        <div class="page-content">
          <p><?php _e( 'It looks like nothing was found at this location. Maybe try a search?', 'twentynineteen' ); ?></p>
          <?php get_search_form(); ?>
        </div><!-- .page-content -->
      </div><!-- .error-404 -->

    </main><!-- #main -->
  </section><!-- #primary -->
<?php
get_footer();

404 HTTP ステータスコードの確認

WordPress で 404.php ファイルを作成して、そのファイルが読み出される際には自動的に 404 HTTP ステータスコードが返されるようになっていますが、念のためブラウザのネットワークツールなどで確認します。

Windows の場合、Chrome や Firefox では F12 キーを押して「ネットワーク」を選択して確認することができます。

ブラウザのネットワークツールでの 404 HTTP ステータスコードの確認画面

エラーが出ても 404.php でページが生成されない場合

エラーが出ても 404.php でページが生成されない場合は、WordPress をインストールしたディレクトリの .htaccess に「ErrorDocument 404 /index.php?error=404」という設定を追加します。

# BEGIN WordPress
<IfModule mod_rewrite.c>
RewriteEngine On
RewriteBase /
RewriteRule ^index\.php$ - [L]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d
RewriteRule . /wp/index.php [L]
</IfModule>

# END WordPress

ErrorDocument 404 /index.php?error=404   

WordPress をサブディレクトリにインストールしている場合は、「ErrorDocument 404 /サブディレクトリ名/index.php?error=404」という形で指定する必要があります。

ErrorDocument 404 /サブディレクトリ名/index.php?error=404

.htaccess ファイルは Wordpress をインストールしたディレクトリに自動的に生成されます。

 Wordpress をインストールしたディレクトリのスクリーンショット

必要のないページ種類の場合に404を表示する方法

WordPress はページ種類の制御を URL で行っているため、存在しないけれどパーマリンク設定に従った URL を入力すると関係のないページが表示される場合があります。

このような動作を防ぐために使用しているページの種類以外の場合に、template_redirect フックを使って 404 を表示するように指定することもできます。

但し、この方法の場合、サイトに新たなページ種類を追加した場合にはそれらのページも 404 になってしまうので記述を更新する必要があります。

以下は if 文で指定した以下のページ種類以外の場合 404 ページにリダイレクトさせる例です。

  • ホームページ
  • 個別ページ(投稿、カスタム投稿タイプ、添付ファイル及び固定ページ)
  • 月別アーカイブページ
  • カテゴリーページ
  • タグページ
  • rental と言うカスタム投稿タイプのページ
  • 検索結果ページ

以下の場合、カスタムタクソノミーやフィードなどの以下で指定していないページでは 404 エラーになります。

function redirect_404() {
  //以下のページ種類以外の指定の場合 404 ページを表示する
  if(is_home() || is_singular() || is_month() || is_category() || is_tag() || is_post_type_archive('rental') || is_search()) return;
  //HTTP ステータスコード 404 を送信
  status_header(404);
  include TEMPLATEPATH . '/404.php';
  exit();  //または die(); を使ってこれ以上リダイレクトさせない
}
add_action('template_redirect', 'redirect_404');

TEMPLATEPATH は現在の(親)テーマのディレクトリへのパスが格納されています。get_template_directory() で取得する値と同じです。

関連ページ:404 ページの作成

Codex 日本語版:404エラーページの作成